ポジティブな側面がなさそうな出来事に、ネガティブな感情が湧いたときの思考方法

エッセイ

捉え方ひとつで感情はコントロールできる

前回の記事、『ネガティブ思考から抜け出し、生きるのが少し楽になった話|ポジティブ思考の取り入れ方』でネガティブな感情が湧いたあと、その出来事のポジティブな側面を探す方法を紹介しました。
今回は少し視点を変えて、「出来事の背景や状況を考えてみる」ことで感情を和らげる方法をお話します。

実例

最近私は、隣人の生活音に悩まされています。
うるさい時間は毎日決まっているので、その時間になれば「また始まった」くらいで済むのですが、ある日、いつものうるさい時間と違う時間帯、具体的には金曜日の午前0時半頃に、扉を勢いよく閉める音や何かが壁にぶつかる音が聞こえてきました。

不意打ちだったので、正直かなりイラッとしました。

けれどいつまでもイライラしても仕方ないと思い直し、「なぜいつもと違う時間に、しかも大きな音が?」と考えてみました。

・金曜の夜だから飲みに行った帰りかもしれない。
・酔っていたなら、動作が普段より雑になって音が大きくなったのかも。

正しいかどうかはわかりません。
でも「理由がありそうだ」と思えただけで、意味不明な不快感はなくなりました。もちろん音はうるさいままですが(苦笑)、気持ちはかなり落ち着きます。

今回お話したのも前回同様自分のご機嫌の取り方のひとつですが、前回と違うのは、嫌な出来事にポジティブな側面が存在しないことです。

もちろん、自分の気持ちが落ち着くのであれば無理やりポジティブを見つけても構いません。

もうひとつ例を挙げます。
お店で知らない人が店員に大声で怒鳴っていて不愉快な思いをしたとします。

【最初の感情】
「なんで自分がこんな思いをしなきゃいけないんだ。」

【背景を想像してみる】
・あの人もストレスが溜まってたのかもしれない。
・自分もストレスで人や物に当たることもあるもんな
・もしかしたら店員さんの態度が本当にひどかったのかもしれない。
・でも自分はあんなふうにならないよう気をつけよう。良い反面教師だ。

こうやって考えると、不快感は完全には消えないけれど、冷静に受け止められるようになります。
結果的にポジティブな側面(反面教師としての学び)も見えてきました。

習慣化のステップ

では、もう少し抽象的に流れをまとめてみましょう。

  1. 自分のネガティブ感情に気づく
  2. 出来事の背景や状況を3つ以上考える
  3. 背景を踏まえて、自分がとる行動を意識的に決める

最初のうちは難しいかもしれませんが、このプロセスを基本に何度も繰り返しているうちに、自然と背景を想像できるようになってきます。

大事なのは、相手を許すことではありません。
目的はあくまで自分の感情を落ち着けることです。
もし実害がある場合(暴言や暴力など)は、距離を取るか、然るべき対応をしてください。

この方法のメリットとデメリット

最後に、この方法を取り入れるメリットとデメリットをお伝えします。

【メリット】
・感情の高ぶりが落ち着きやすくなる
・相手や状況への理解が深まり、客観的に見られる
・嫌な出来事に執着せず、流しやすくなる
・衝動的な行動や言動を防げる

【デメリット】
・考えすぎて自己責任に寄せすぎる危険がある
・他人の問題まで抱え込みやすくなる
・自分の感情を抑えつけてしまいやすい(感じないようにしてしまう)
・一時的に感情を抑えすぎて後から爆発する場合がある

心が弱っているときはデメリットに挙げたような状態になりやすいですので、無理に背景を探ったりしようとせず、まずは自分の気持ちに寄り添ってあげてください。

最後に

ネガティブな感情は湧くこと自体が悪いわけではありません。
でも、ずっと抱えていると一番しんどいのは自分です。
「なぜこうなったのか?」と一歩引いて背景を考える、それだけで心のスペースは少し広がります。

理不尽な出来事に疲れてしまう優しいあなたが、少しでも楽に過ごせますように。

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