笑えなくなった日々
かつて私は、笑えなくなりました。
愛着障害やアダルトチルドレンの背景もあって、感情を表に出すことを諦めていた時期があったのです。また、気分の落ち込みが激しかったこともありました。
とはいえ全く笑わなかったわけではありません。
気の置けない友達と楽しく話しているときや、お笑い番組を見て笑うことはありました。
けれど最近になって、よく一緒に飲みに行く友達からこう言われました。
「知り合った当初は全然笑わなかったから、一緒に飲んでいても楽しくなかったのかなって毎回心配だった(笑)」
この言葉を聞いて、正直私は驚きを隠せませんでした。
なぜなら当時の自分は、その人達と一緒に食事することがとても楽しかったし、よく笑っているつもりだったからです。でも他人から見れば全然笑わない人間に見えていたのです。
そんな私が自然と笑えるようになった方法を、今日は書いていきたいと思います。
気づいて決めたこと
20代半ばの頃、私は憂鬱な毎日にうんざりしていました。
そんな何も楽しくない日々からどう脱却すればいいのかを考えあぐねていた時、ふと思ったんです。
——ネガティブばかりに目を向けても誰も助けてくれないし状況も変わらない。状況や自分を変えられるのは自分だけだ。
そう思ってからは、とにかくどんなことでも面白いと思う側面を見つけて笑ってみようと決めました。
どうやって笑い始めたか
最初のうちは自分の行動に笑うことが多かったように思います。
例えば、洗濯物を回したっきりなぜか干したつもりになっていて、数時間後、洗濯機から乾いていない洗濯物を発見した時。
普通なら「最悪!」となるところを、私は自分のおっちょこちょいぶりに笑ってみました。
——なんで干したつもりになってたの(笑)天然すぎでしょ(笑)
みたいに。
他にも、これはみんなよくあることかと思うんですが、何かを取りに立ち上がったのに急に思い出した他の用事だけを済まして、本来持ってきたかったものを忘れて戻ってくる。よくあることですよね。これも普通ならイライラするところですが、私はまた笑ってみました。
——本来やりたかったこと忘れて他のことやっちゃうのやば!笑
文章にすると説得力は薄いかもしれません(笑)でも、一般的には負の感情が湧いてくるようなことも、できるだけ笑ってみる。
これを繰り返していくうちに、自然と色んなことに笑うことができるようになっていきました。
続けていった結果
一時期は、数年ぶりに会った幼馴染に「サイコパスみたいだけど大丈夫?」と心配されることもありました(笑)そのときはおそらく、全然自然に笑えてなかったんだと思います。
けれど、自分の中では「面白いと思ったら笑う」と決めていたので、それを続けました。
笑うことを意識し始めて数年。少しずつですが日常のポジティブな面に自然と意識が向くようになり、自分の気持ちも楽になっていることを実感できるようになりました。
実際、友達も以前より増えましたし、遊びに誘われることも多くなりました。笑えるようになったことで人と過ごす時間が自然と楽しくなり、その積み重ねが心も軽くし、昔ほど憂鬱になる頻度も減っていきました。
そしてあるとき、とあるコミュニティで出会った人たちから、口を揃えて「よく笑うね、その笑い声に元気をもらう」と言われたのです。
自分では特別意識していなかったので驚きましたが、何度も褒められるうちに「今の私はよく笑う人なんだ」と自然に認められるようになりました。
最初は無感情だった
正直、最初の頃はいくら自分の中で「面白い」と思っても、元々笑わない人間だったので、無理して笑っている感じは否めませんでした。
でもこのとき心がけたのは、無理しすぎないこと。
矛盾してますよね(笑)
悲しいことや苦しいことに対して笑うのは違うと思います。
それはただただ自分の感情を押し殺しているだけだからです。
むしろ、愛着障害やアダルトチルドレンの人は、日常的に「無理して笑う」ことをしてきたからこそ苦しいのではないでしょうか。
私もそうでした。だから笑わなくなった。
けれど、楽しくない現実ばかり見ていても何も変わらないと気づいたのです。
だから最初は少し無理にでも、自分が少しでも面白いと思えたことに、クスクス笑ってみました。
ほんのささいなことでもいいんです。クスクスでも、にやっとでも、「笑う」という行動そのものが、少しずつ心をほぐしてくれます。
続けるうちに自然と笑顔が増え、ちゃんと楽しいと思えることも増えました。
笑顔が増えたことで周りの人たちとの関係も良好に続けられるようになり、ひとり反省会をして苦しむ時間も減っていきました。
無理に大きく変わらなくてもいいんです。ただ、小さな笑いを積み重ねるだけで、きっと心は少しずつ軽くなっていきます。
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