理由のない不安・恐怖・焦燥の毎日
私は20歳〜20代半ばのとき一番不安感が強く、休みの日は毎日気が済むまで布団の中にいるような生活をしていました。
何も楽しくない。何もしないのに、布団の中で震えている。
焦燥感。理由のない悲しみ。
今思い出しただけでも苦しくなります。
しかし、『あること』を続けることで、私はこの苦しい状態をもう何年も経験していません。
その『あること』とは、
自分の感情にラベリングをすること
では具体的にどうしていくのか、説明していきましょう。
自分の感情にラベリングするとは
簡単に言えば、「今自分がどういう感情を抱いているか意識してみる」ということです。
この”意識する”を続けると、次第に感情と思考を別々に自分の中に存在させることができるようになり、感情に飲み込まれるだけという状態からは抜け出せるようになります。
「そんなの、そのときにはそういう感情なんだから改めて意識したって意味ないじゃん!」と思う方もいるかもしれません。
けれど、実際にその感情を抱いているときは、悲しみや不安で心も頭も一杯で、“意識する”ということ自体はできていない場合が多いのです。
私の場合
冒頭でも話した通り、私は20代のころ心身症が出るほど不安で苦しんでいました。
不安の理由はこれと言ってありません。とにかく不安で、心臓のあたりがざわついている。時には「このまま死んでしまうのでは」という恐怖心が湧くこともありました。
怖くてたまりませんでしたが、そのとき私が試みたのは、頭で感情を理解することでした。
——落ち着こう。自分の状態を確認しよう。
——今、体がこわばっている。喉が締められるような感覚もある。胸もざわついてる。
——これは「不安」や「恐怖」から来てるんだ。
——なら、このまま死んでしまうことはないはず。
そう気づくだけで、死への恐怖が和らぎ「大丈夫、そこまで怖くない」と思えました。それだけでもほんの少し気持ちが楽になりました。
もし余裕があれば、もう少し進んで感情の原因を探してみると、より不安感や恐怖感から抜け出せるようになるかもしれません。
——じゃあなんでこんなに不安で怖いのかな。
——なにもしてないから。なにもしないまま毎日が過ぎていくのが不安で怖い。
布団でじっとしていることが自分にとって良いと思っていたけれど、実はそれが逆に焦りにつながっていることに気づけました。
——じゃあいつかは動かなきゃだめだよね。
——でも今すぐ動くのは嫌だ。だからもう少し落ち着いてから動こう。
これはあくまで私の例ですので、後半の結論は人それぞれです。
このまま寝てしまう人もいれば、思い切って今動こうと思える人もいるかもしれません。
そもそも結論なんてすぐには出なくて、まだまだ深掘ることのほうが多いと思います。
大事なのは自分の感情を受け入れること
不安や恐怖を抱えていると、早く抜け出したい、どうしてこんな感情に襲われているんだろう、こんな自分はだめだ……と、自分を責めてしまいがちだになると思います。
私もずっとそうでした。
でも、自分の感情を理解してあげられるのは自分だけ。自分の感情に寄り添ってあげられるのも、自分だけなんです。
そこに気づいてからは、外に助けを求めることがあまりなくなって、そのせいで感じていた渇望感もだいぶ減り、楽になりました。
なのでまずは、自分が今、理由のない不安などで苦しんでいることを理解してあげてください。
「そっか苦しいんだね。大変だね。でもそれでいいんだよ。不安も恐怖も焦燥も悲しみも、感じていいんだよ」って、自分に言ってあげてください。
負の感情は、何度も何度も蘇ってくると思います。
紹介したやり方も、一度きりではなく、負の感情が蘇ってくるたびに繰り返し行っていました。
続けていくうちに……
はじめのうちは思考より感情のほうが大きく、意識することで精一杯かもしれません。
「こんなことしていて何になるんだ」と思うこともあるでしょう。それは自然なことです。そんなときは無理にラベリングしなくても大丈夫です。
実際、私も一度ラベリングして少し楽になっても、気を抜けばまた恐怖に呑まれる……その繰り返しでした。強いて言えば、三歩進んで二歩下がるような感覚。
それでも「、その「少し楽になれる瞬間」を積み重ねていくうちに、確かに前に進んでいると感じられるようになりました。
また、先程も述べたように、意識できるようになることと感情を感じないようにすることは全く別物です。負の感情を感じるのをやめようとはせず、むしろ感じて自分を受け入れてください。
そして、それに慣れてきたら次は感情の原因を探ってみてください。
答えは自分の中にだけあります。
この”原因”まで特定できれば、もしまた感情に飲み込まれそうになっても「私は◯◯っていう理由で不安なんだから、必要以上に不安になる必要はないんだ」と思えるようになり、さらに気持ちが楽になります。
人は原因や理屈がわからないものに恐怖を覚えるといいます。
たまにいませんか?自分がよく知らないというだけで物事を否定する人(笑)
感情も同じです。自分の感情の原因がわからないから、飲み込まれて負の感情が増えるんです。
注意したいこと
原因や理由がわかったからといって負の感情自体がなくなるわけではありません。
あくまでこの方法は、自分が不安などに飲み込まれないようコントロールするためのものです。
落ち込みや不安感が激しく、日常生活に支障が出るレベルの人は、医療機関を頼って正しい治療を受けてください。
最後に
私もかつては、理由のない不安に苦しんできました。
けれど、何度も自分の負の感情と向き合い続けてきたおかげで、理由なく不安になることはほとんどなくなりました。
今でもたまに深い悲しみや不安に襲われることはありますが、そのときは「◯◯だからこんなに悲しいんだね、不安なんだね。あのときは本当に辛かったね。今思い出してもしんどいよね」と自分の感情に寄り添い感じ切るようにしています。
何時間も感じたあと、自然と心は軽くなり、また前を向けるようになるのです。
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